実力がありながら、その力を十分に発揮できないとき
「喝を入れ」「檄を飛ばして」来ました。

大会の予選で、もうこれ以上後がない!という時などには
この方法は有効でした。
(有効だったと思っています)

喝を入れ、檄を飛ばすことで見違えるように戦い方がかわり
いつの間にか、カラーコートの切符を手にしていたこともありました。

(逆に準決勝戦や決勝戦・・・・カラーコートでの戦いはこの方法はまずとりません。)


ただしこの方法は
「実力がありながら」の枕詞がつきます。

そこを私は勘違いしていました。

残念ながら、目標を下げざるを得ない今は
「喝」も「檄」も効果があるどころか子供たちを萎縮させるだけでした。


長年染みついた私のやり方(性格?)を変えるのは
とても難しいと思いますが
私が変わらなければ、チームも変わらないと思っています。


「喝」も「檄」も
当分の間は 封印することにしました。

城西ビクトリーが活動を始めて数年は
準備運動としてのランニングは体育館のコートを10周したり
運動場を3~5周する程度でした。

でも少しずつ強くなって決勝トーナメントに上がれるようになったり
準決勝戦・・・・決勝戦まで戦えるようになると
それなりのスタミナが必要になることが身にしみて分かるようになりました。


そこで取り入れたのが、運動場30周(1周160mくらい)のランニングです。

最初の10周は砂を詰めた500mlのペットボトルを両手に持って
(腕はだらんと下げたままで振ることはしません)
普通のペースで走ります。

10周が終わるとペットボトルを投げ捨てて、スピードアップの10周に移ります。
この10周は本当にきつくて大変です。
でも決勝で勝つための体力をつけるためには
このランニングが必要だと分かっているので
苦しさを乗り越えて走れるようになっていきました。

きつい10周が終わると、スロージョグにして9周走ります。

そして、ラストの1周は全力ダッシュです。


この魔の「30周ランニング」がきつくて、練習に行き渋ったりする子や
新入部員として入ってもこれについていけずにやめてしまう子・・・・
入団そのものを避けてしまう子・・・・もたくさんいました。


でも・・・・
子供の力は不思議なもので
最初はついて行けなくても、続けることで少しずつついて行けるようになり、
卒団する頃には「楽々?」走ることができるようになります。

その力は、中学校に入っての部活動でも生かされていました。
新入部員の1年生は、体力作りと称してランニングや筋トレがメインの練習ですがそれを難なくこなして、いち早くメイン練習に参加できたOBがたくさんいました。

ただ、30周ランニングも夏場の炎天下ではさすがに無理があります。
そこで7月~10月は、ランニングだけは近くの名城公園に場所を移して
そこのランニングコース(1.3km)を走るようにしています。
ほどよく木陰があり直射日光を遮ってくれます。

そこを3周(ジュニアメンバーは2周)ジョグし、体操をした後、1周の計測を行います。
そして1シーズンの間に自己ベスト記録を3回更新することを目標に走ります。

歴代のOBの記録と比較しながら、目標を持って頑張れているようでしたが
ベスト記録を3回更新するのもかなりきついノルマです。

これも、上位の戦いをするためには必要な体力作りだと思い続けてきました。



しかし

決勝トーナメントはおろか
予選通過もままならない今は、ここまでの体力は必要ではなくなってきています。

ただただ苦しいランニングをするためのモチベーションを維持できなくなっています。



コーチ陣たちとも話をして
今季の目標は
①「(大会で)1勝すること」 に切り替えることにしました。
そして目標のレベルを下記のように一つずつ上げていくことにしようと思います。

② 「2勝すること」
③ 「予選を通過すること」
④ 「決勝トーナメント1回戦を勝つこと」
⑤ 「決勝トーナメント2回戦を勝つこと」
⑥ 「ベスト8」
⑦ 「ベスト4」
⑧ 「3位以内」
⑨ 「準優勝」
⑩ 「優勝」
⑪ 「カラーコートに立つ」・・・・つづく


そして目標のレベルが⑦になるまでは
「30周ランニング」と「名城公園計測」は封印することにします

試合前のミーティングで
スターティングメンバーを発表しました。

一人一人の名前を呼んだのではなく
指さしながら「1」 「2」・・・・「11」 「12」と12人を指名しました。

続けて戦い方の話をしていると
選手の一人(女の子)が涙をあふれさせて泣いていました。

(そういえば・・・・
 指のテーピングが・・・どうのこうの・・・・と言ってたから
 指が痛くて戦えないかもしれないと不安になったのか?)と思い

「なぜ泣いているのか?」と聞きました。

すると
コーチが
「選手を外されて泣いているようです・・・」と・・・




ん?


んん?


確かにその子はスターティングメンバーに入れて指さしたはずです!

ただその指さしが曖昧だったようで
本人は 「自分は外された・・・・」 と思っていたようです・・・・



それだけ
今日に向けて頑張ってきたという自負があったからこその涙だったようです。


後から聞いた話ですが
指の痛さより 足の痛さが相当あったそうです。
それを表に出さずに練習し 戦っていたとのこと。

4年生の女の子ながら
その負けん気には 「拍手!」

やらなかった後悔 をするくらいなら
やって後悔 をする方がいい


今日の大会後にも子供たちには伝えました。

でも
これは子供たちに言うと同時に
自分自身の反省でもあるのです。

なぜ あのとき 「○○しなさい」と指示しなかったのか?

その 「なぜ」 や 「○○」 が あとから あとから出てきます。






全国大会の切符をかける大会以外では

負けたとしても
それ以上に学んでほしいこと があるので
監督としてのプレッシャーはそれほど感じません。

でも
今日は・・・・その切符をかけるステージに届かなかったものの
「負けたら終わり」ですから
それなりのプレッシャーを感じていました。


どうしたら・・・・をずっと考え続けていました。
1回戦前にもその都度選手を集めて発破をかけたり
アドバイスをしていました。

その1回戦に勝てた後は2回戦に向けて頭をフル回転させて
どうしたら・・・・を考えていました。


だからなのでしょうか?
1回戦の戦いぶりの記憶が ごそっと抜けています。


たった2試合でしたが
とっても疲れました。

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